春告鳥

今年も当館の庭に鶯(うぐいす)が帰ってまいりました。

鶯は『春告鳥』とも呼ばれる春を代表する鳥、
ちなみに 「ホーホケキョ」と鳴くのは雄だけで
自分の縄張りを主張しながら雌をさそうラブソングなのだそうです。

「梅に鶯」といわれるように 梅が満開になったころ
静かな朝に いい声を聞かせてくれます。

。。。が 鶯は梅の木が好きというわけではないそうで、
この時期 梅に止まる殆どのものが目白。

目白は名のとおり目の周りが白く 綺麗な緑で
茶色と緑を合わせたような姿の鶯は 藪の中に。

ただ 春浅い折に咲く梅の花と 春を告げる鶯のさえずりが 
なんとも取り合わせのいい意匠として 昔から好まれたのだそうです。

この「うぐいす」という言葉 鳥の名称以外にも色々と因んだものがあります。

茶道では茶箱で使うU字の「うぐいす針」、
掛け軸をかけるときに使う絵竿も「うぐいす」
帯を仕立てる際に使う竹べらも「うぐいす」と呼ぶそうです。

食材にも 撒いてすぐの小松菜の摘み菜を「うぐいす菜」といったり 
青エンドウを甘く煮たものを「うぐいす豆」といったり 
日本人はこんなにうぐいす好きです。

本来『鶯』は山鳥なので 峠道や林道などに行かなければ
あの綺麗な歌声は聞こえないのですが 
運がよければ当館の庭で聞ける日もあるかもしれません。

少し早く目覚めた朝は そっと耳を澄ましてみてください。

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