初心者歓迎?

最近、油断をすると部屋で主人が
長唄の「鶴亀(つるかめ)」のCDをリピートして流しております。

何でも来月の座興に有志でやるらしいのですが
“三味線”や“舞”、“鳴り物”もある中で
“唄い手”に決まったのは
謡曲をやっているから、だとか。

リズムは違えど同じ出自で歌詞は完璧なはずだから、というのが
総大将よりの任官のお言葉だったらしいのですが
実は、当人。。

事の外、苦戦しているようです。

曰く
「同じ文句だけれどもメロディーがぜんぜん違うので
 マキマキ(飛騨弁で“混乱する”の意)を起こしてしまう。。。」
とのこと。

中途半端に判っているとかえってやり辛い。。。
なんてことは

基本は一緒だけどディテールが違うお茶の世界も同様で
嫁入り前に表千家さんに師事していたけど
子育てが一段落して、復帰した先生が裏千家だったりすると
昔の「体の記憶」が微妙にトラウマになって、何度も同じ所作で失敗する
なんてエピソードは事欠かないようです。

当館でもスタッフ募集をする際は
“未経験者大歓迎!?”とまでは書きませんが
“経験者優遇”という記載もしません。

当館なりのスタンスを理解していただくには
スロースタートであっても、未経験者の方のほうが結果として
うまく共鳴していただける場合が多いようです。

そんな中で、先週から19歳の原田君が調理場に
いわゆる『追い回し』として入社しました。

学校を卒業し、料理とは全く無関係な職種を経て
それこそ、出汁のとり方どころか
下手すると皿向きの前後もわからないようなトコロからのスタート。

でも、判らないなりに、ハキハキと前向きに取り組んでいる姿は
私以外のスタッフ達も全員、とても微笑ましく見守らずにいられません。

今時は、ともすると料理の専門学校で調理師免許その他一式を取得してきた子を
即戦力として求めるきらいがありますが
白衣姿にキリリと前掛けを締めて
追い回し(雑用)”に励んでくれる後姿が、着実に成長して
いつしか花板(はないた)として采配を揮ってくれる日がくることを
願わずにはいられません。

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