飛騨の雛祭り-6

雛話も今回で最後とさせていただきます。

個室料亭 観月
ところは“観月”。

ご宿泊のお客様のご夕食とご朝食をご用意させていただく個室の料亭です。

~閑話休題~

昔の旅館スタイルだと『お部屋食』『お部屋出し』というのがステイタス!
だったような時代もありますが
当館では昭和59年より
お寛ぎいただく“客室”とお食事を召し上がっていただく“個室”を
分離させていただいております。

お人によっては賛否両論あるところかと思いますが
ここでは、【賛】側代表のディベートとして。

1.食事の準備や後片付けなどのための
 係による客室内への立ち入りが最小限となるため
 お部屋をゆっくりとお使いいただけ、寛いでいただける。

2.ご就寝の際に夕食の残香が気になったり
 布団上げした後の埃飛び交う中での朝食、という憂き目を見なくてよい。

3.客室より個室料亭の方が調理場の近くにあるため
 より出来立てに近い料理を召し上がっていただける。

4.料亭はあくまでも“個室”であるためプライバシーは守られる

そして(個人的には)何より
旅行に行くと「観光よりチェックアウトぎりぎりまで居座る」派の一家としては

5.朝食を用意するという名目で『布団上げ』されずに、まったりゆっくり出来る。。。

当館でも朝は基本『布団上げありき』ではなく
布団上げしてほしい方はその旨お申し付け下さい、というスタンスを
取らさせていただいております。

【この件に関しては皆様よりのアドバイスを随時受け付けさせていただきます。】

いつもいつも脱線ばかりしてしまいますが、フィナーレを飾るこの雛たち。

高砂付きの大正飾り

料亭の中央のオープンスペースに展開する大正4年の七段飾り。

このお雛様たちは当家より嫁いでいった、祖父の姉のもので
当時は雛道具一式も供に連れていくのが通例ではあったのですが
故あって?か、我が家に残り花を添えてくれております。

箱書きは大正4年とありますが、本来の持ち主の生まれ年は昭和初期。
昔はなかなか新品のものが与えられず、どなた様からか譲り受けたものと聞いております。

ここでの見どころは、通常の五人囃子に当たる部分が雅楽の奏者になっており
お手本が存在しないため、今だにどの順番で並べてよいのか分からず
この時期になると慌てて資料などを探してみるのですが・・・・・

どなたか正解をご存知の方いらっしゃいましたら、是非ともご教示下さいませ。

また、『翁(おきな)』『婆(おうな)』の高砂の人形が付随しているのも
この時代の特長なのでしょうか。  

6回に渡るシリーズもので
我が家の“顔”的な雛たちをご紹介させていただきましたが
この子たち以外にも、地元山田焼きの素焼きの雛人形をはじめ
館内各処にプチ古今東西な人形たちがお出迎えさせていただいております。

あと一月強の猶予がございますので、機会があれば是非とも覗きにいらしてください。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です