今日は日曜日の大安。
当館でも 幸せいっぱいのお二人とともに
ささやかな披露の宴がありました。
朝は大粒の雨が降っていましたが
挙式が終わりご入館されることには青空も見え
厳かな中にも和やかなひと時でした。
当館では年に6組ほどの門出をお手伝いさせていただいております。
挙式は氏神様による神前式や最近多い仏前式 昔ながらの家婚式。
今頃ご結婚されるお子様を持つご両親様の中には
当館で結婚式をされた方もあり
懐かしく語ってくださる方もいらっしゃいます。
とくに ご両親の時代は今のような人前式や教会、神社での挙式よりも
家婚式が多く 初めての体験がより深く思い出に残っているようです。
家婚式はこの名の通り各家々に伝えられた形式です。
当館に伝わります婚礼の儀は
かつてこの地を治められた金森公が
生まれ故郷の京都を忘れがたく
京都の公卿諸公の間で執り行われていた行事を
そのまま飛騨の奥地へ流布せられ
この礼儀作法が今日まで受け継がれています。
三三九度の盃は一献つがれるたびにお肴と呼ばれる謡曲が入り
時代劇さながらの様子で 若いお二人には特に印象が強く
思い出に深く刻まれているようです。
飛騨ではたびたび登場するこの謡曲、
特に祝いの席では乾杯のときに小謡が出されるのですが
飛騨式の手法で。。。といわれた場合は要注意。
ひとくち口をつけたあと お肴が入り
後ふたくちで飲み干すという作法に則っています。
今日の花嫁様は千葉県からの興しいれ。
ご親族の中には古川に初めてお越しいただいた方も多く
飛騨へお越しいただいたのだから 飛騨式のお祝いの宴をということで
乾杯の謡曲に始まり 祝い歌のめでた、5ツ組の大盃で大いに飲んでいただき
最後は納盃の儀を執り行い めでたく結びとなりました。
中には相手がわからないから。。。といわれ
昔ながらの祝宴を敬遠される方もいらっしゃいますが
今日のようなご披露宴をさせていただくと
あらためて自分達の育った町の伝統や文化の重みを感じ
いいものだなぁと思います。
後世に残していかなければならない文化です。