至福のお茶時間

月に1度だけ おいしいお茶とお菓子を楽しみに
お稽古という名の至福の時間があります。

昨年に続きコロナ禍&今年は先生の足の手術のため
しばらくお休みだったのですが
久しぶりに飛騨へいらっしゃるとの事で
足の快気祝いを兼ねて 当館でお食事をしていただきました。

「最後にこれでお抹茶一服だして~」
「そしてこれはお土産!」
といっていただいたお菓子が 老松さんの「唐衣」
5月のお菓子をお持ちくださいました。

ご存知の通り「唐衣」はお茶人にとっては
とてもなじみのあるお菓子で
六歌仙の一人、在原業平が都に残してきた妻をしのび、
詠んだ歌がもとになっています。

ら衣 つつなれにし ましあれば
るばるきぬる  びをしぞ思ふ

区切りの頭の文字をつなげると「か・き・つ・ば・た」となり
杜若が咲き匂う三河国八橋(現在の愛知県知立市八橋町の辺り)で
詠まれたそうです。

その故事以来、 杜若の名所 として名高く、
業平塚も近くにあり、
当館から名古屋方面に3時間弱
刈谷市井ヶ谷町小堤西池には、国の天然記念物指定を受けた
日本最大規模の 杜若群生地 が
例年GW明けから見ごろを迎えます。

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京菓子は四季の移ろいを楽しむ茶道と深く関わり合っています。

「季節を先取りする」という決まりがあるそうで
桃の花が咲いてから桃の花の菓子を作るようでは
本物の美しさに負けてしまう
でも、季節を先取りして出せば、
春を待つ楽しみを客人とともに分かち合い、
お話も弾みます。

こういった心遣いが、
都における『おもてなし』の精神として
受け継がれてきているのですね。

先生のリハビリがうまくいけば お稽古再開もまもなく!
また おいしいお茶とお菓子で
至福の時間を楽しみたいと思います。

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