子持ち鮎の魅力

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鮎と言えば、夏の若鮎が一番、というイメージが強いのですが
私は晩秋に向かうこの時期の”落ち鮎”が大好きです。

古川の町中を流れる宮川では、”やな”がかかり
当番の人は真夜中でもかかった鮎を取り上げるのに大忙し。

“やな”とは、川の一部を竹のスノコでせき止めて、捕まえる代表的な漁法で
日本には弥生時代に中国から伝えられたといわれます。

みずみずしく引き締まった身の甘く淡泊な味わいが絶賛される夏の鮎に比べ、
落ち鮎は繁殖期であまりエサをとらなくなるうえ、
メスは卵に養分を取られ身が細るといわれ 印象はあまりいいとは言えません。

でも私はやっぱりこの時期の”子持ち鮎”。
プチプチとした卵の触感と 食べ進むにつれ、白身と卵が口の中で混じり合って
何とも言えない味わいです。

年魚と秋の産卵が終わると死んでしまう鮎。
年魚と呼ばれるゆえんですが、
落ち鮎は短い一生分のうまみがたっぷり詰まっています。