飛騨の酒

飛騨古川にある2軒の造り酒屋さんのうち、
“白真弓”の名で知られた蒲酒造場”さんの『かけどめ』のお祝いの宴がありました。

そもそも『かけどめ』とは・・・・・
仕込み期最後の造りのことで漢字では『掛留』と書くそうです。
酒造りも終盤戦の3月、
最後の醪(もろみ)に使う米を蒸し器に「掛ける」ことを「留める」との意で
酒の仕込みを終了するという用語です。
米を蒸していた甑(こしき)を大釜からはずし、
横に倒して洗うことから「甑倒し」とも呼ばれます。

酒づくりの工程とは“生き物”を相手にすることなので
その期間は、朝早くから夜遅くまで。
このときばかりは長時間重労働を強いられるようです。

そこで、それまでの労をねぎらう意味で『掛留の宴』が催されます。
酒蔵にとっては盆と正月が一度に来たようなものだと蔵元はいつも挨拶で仰います。

蒲酒造場さんは宝永元年(1764年)から続く名家で
越後杜氏の藤井さんは平成3年から蒲酒造に従事していらっしゃいます。
就任以来、数々の品評会で受賞し 酒どころ飛騨でも不動の地位を守っていらっしゃいます。

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杜氏さんは秋に蔵入りし 春には家に戻るというのが通例なのですが
蒲酒造さんでは年間を通して夏場でも杜氏さんが従事していらっしゃいますので 
品質管理には万全を尽くしていらっしゃいます。

そんな蒲さんの今年のお祝いの酒席に振舞われたのは。。。

「斗瓶とりの大吟醸」

伝統的な“袋吊り”という搾り方で
圧力をかけず滴りおちる雫だけを斗瓶に集めたお酒。
オリ引きの工程を経て低温で貯蔵するので 
その間に酒の味は丸みと深みを増していきます。

少しお相伴をいただきました。(これが毎年の楽しみなのです)
最近の大吟醸はやたら香りばかりが表に出ているような気がするのですが
この特別酒は 口元に近づけたときのほのかな香り
そして含んだ後 口の中で広がる香りが何ともいえません。

この状態を保ち、店頭に置くことは大変難しいそうで 
実は市販がせれないのがとても残念ですが その他のお酒も出来は上々の様子です。


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