一昨日は飛騨古川の味覚と歴史を支える“両翼”の一軒
渡辺酒造店さんをご紹介しましたので
今日は、残る一軒“蒲酒造場(かばしゅぞうじょう)”さんについて。
“蒲酒造場”さんも宝永元年以来連綿と酒造りをされている名家で
やはり全国新酒鑑評会や名古屋国税局鑑評会において
常に“その名を轟かす”名門中の名門です。
万葉集の時代から飛騨の枕詞として使われた『白真弓(しらまゆみ)』
というブランド名。
創業より300年以上を重ねる同家は 「酒造りは土耕り、米作り、人づくり」
を標榜し、飛騨古川のよき伝統を支える大きな柱となっていらっしゃいます。
実はその蒲酒造場さんも先月末に祝いの宴を当館にて張っていただきました。
ここで特筆すべきことは、祝宴の前に“素うどん”を小鉢一鉢づつ召し上がること。
空きっ腹でお酒をいただいては悪酔いしてしまう、ということだそうです。
しかしながら、何故ゆえに『うどん』なのか?と
大旦那様にお伺いしましたところ
物心ついたときから家ではそうされていたので、厳密な理由はご存じないそうですが
“消化のよいもの”を“少量”いただく。
いただくからにはお祝いの席に相応しいもの。
うどんは古来中国伝来の食物で、その昔、飛騨では(全国的にも?)贅沢品だったとのこと。
天下の三大奇祭として音に名高い『古川祭り』を支える気質を表す
“古川やんちゃ”という言葉がありますが
その名を冠した蒲酒造場さんの吟醸酒“生やんちゃ”は
「冷や」でキリリ、と
「ヌル燗」で薫り高くいただける
MY フェイバリットの一つです。